第33回の学科試験は、11月1日。もう、新しいことを覚える時期ではないと思う。
この時期にやるべきなのは、知っているはずのことを、取り違えずに思い出せるかの確認だ。キャリア理論の問題でこわいのは、知らない理論よりも、知っているつもりの理論のほうだ。
私が受けたときは、前の晩、過去問をとにかく解いていた。解けることを確かめて、安心するためだ。テキストは1冊に決めて、3周ほど読んだ。
振り返ると、直前に効いたのは新しく覚えたことではなかった。何度も見返していたもののほうだった。
この記事は、その「何度も見返すもの」のひとつになるように作った。理論家7人を、1行ずつ。くわしく読み直したい人は、それぞれのリンクから記事へ飛んでほしい。前日と当日に私がやっていたことも、最後のほうに書いておく。
理論家7人を、1行ずつ
1. クランボルツ|計画的偶発性
偶然を待つ理論ではなく、偶然に出会いに行く理論。
偶然を味方にするための5つのスキル(好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心)までセットで出てくる。「待つ」と読める選択肢は疑っていい。
▼ ブログ:キャリアに迷ったとき、読む話|クランボルツ編
▼ note:計画的偶発性は「偶然を待つ理論」ではない|学科の前に、もう一度だけ #1
2. シュロスバーグ|転機と4S
4Sは転機の「段階」ではなく、転機を乗り越えるための資源の点検表。
Situation(状況)・Self(自己)・Support(支援)・Strategies(戦略)。順番に通過するものではない。
▼ ブログ:キャリアに迷ったとき、読む話|シュロスバーグ編
▼ note:4Sは、転機の「段階」ではない|学科の前に、もう一度だけ #2
3. スーパー|ライフキャリアレインボー
レインボーは「時間 × 役割」の2軸。
発達段階は、成長期・探索期・確立期・維持期・解放期(教材によっては衰退期)。狙われやすいのは、探索期と確立期の入れ替えと、最後の段階の呼び名だ。
▼ ブログ:キャリアに迷ったとき、読む話|スーパー編
▼ note:ライフキャリアレインボーは、虹の絵を覚える理論ではない|学科の前に、もう一度だけ #3
4. ホランド|6つのパーソナリティタイプ(RIASEC)
六角形は「隣と向かい」で解ける。
隣り合うタイプほど似ていて、向かい合うタイプほど遠い。そして、一貫性は本人の中の話、一致は本人と環境の話。この2語の取り違えは、試験でもいちばんよく狙われる。
▼ ブログ:キャリアに迷ったとき、読む話|ホランド編
▼ note:ホランドは「隣と向かい」で解ける|学科の前に、もう一度だけ #5(10月29日公開予定)
5. シャイン|キャリア・アンカー
アンカーは、どうしても譲れない「自分の錨(いかり)」。8つある。
専門・職能別/全般管理/自律・独立/保障・安定/起業家的創造性/奉仕・社会貢献/純粋な挑戦/生活様式。「やりたいこと」の一覧ではなく、手放せないものだと押さえておく。
▼ ブログ:キャリアに迷ったとき、読む話|シャイン編
6. サビカス|キャリア構成理論
サビカスは「なぜ」を扱う理論。
キャリア・アダプタビリティの4Cは、関心・統制・好奇心・自信。何を選んだかより、その選択にどんな意味を見出しているか、自分の物語として語り直せるかを見る。
▼ ブログ:キャリアに迷ったとき、読む話|サビカス編
▼ note:サビカスは「なぜ」を扱う理論|学科の前に、もう一度だけ #4
7. バンデューラ|自己効力感
「できるかどうか」ではなく、「できると思えるかどうか」。
自己効力感の源泉は4つ。成功体験・代理経験・社会的説得・情動的喚起。いちばん強いのは、自分でやってみてできた経験だ。
▼ ブログ:キャリアに迷ったとき、読む話|バンデューラ編
取り違えやすい3つの組み合わせ
1行メモのなかでも、とくに取り違えやすいところを3つだけ。
① 4Lと言われたら、スーパーではなくハンセン
労働・愛・学習・余暇の4Lは、ハンセンの統合的人生設計の言葉だ。スーパーのレインボーと同じ「人生の役割」の話なので、つい混ざる。
② ブリッジズは「いつ」、シュロスバーグは「何を持っているか」
どちらも転機を扱う。ブリッジズは終わり・ニュートラルゾーン・始まりという移行の時期を、シュロスバーグは転機に使える資源(4S)を見ている。
③ 一貫性と一致(ホランド)
一貫性は、本人のタイプどうしが六角形で隣り合っているか。一致は、本人のタイプと職場の環境が合っているか。主語が違う。
前日と当日に、私がやっていたこと
前日まで:何度も見返せるものを、少しだけ
テキストは、翔泳社の『国家資格キャリアコンサルタント学科試験 テキスト&一問一答』。冒頭に書いた「1冊」はこれだ。養成講座でもらった参考書もあったけれど、結局ちゃんと読めたのは1冊だけだった。直前期は、教材を増やすより1冊を回すほうがいい。
やっておいてよかったのは、「みん合」のYouTubeをひたすら見ていたこと。それから、労働力調査などの統計や調査資料のまとめを、何度も見返していたことだ。調査資料は一度に覚えようとするより、こまめに何度も見るほうが頭に入る。
当日:ひとりで抱え込まない
当日は、お弁当とコーヒーを持って、養成講座の仲間と待ち合わせてから会場へ向かった。それだけで、ずいぶん気持ちが軽くなった。
昼休みもみんなで集まって、午前の学科の答え合わせをしながら、午後の論述に備えた。論述は、養成講座でもらった問題集を見返して、書き方のお作法を確認していた。
持っていくものは「安全材料」
会場には、さっと読める資料を1つだけ持っていくといい。新しいことを覚えるためではなく、「これを見れば大丈夫」と思える自分のための安全材料として。スマホで見られるように、デジタルにしておくと、移動中や休み時間に開きやすい。
この記事も、その安全材料のひとつに入れてもらえたらうれしい。
学科が終わったら、次は面接
学科が終わると、すぐに面接がやってくる。第33回の面接は11月7日から22日まで。早い人は、学科から1週間もない。
面接のロールプレイは、回数を重ねるだけでは上達しにくい。効くのは、1回分の逐語記録をきちんと振り返ることだ。自分では「傾聴できた」と思っていても、逐語を読み直すと、相談者の感情を一度しか掘り下げていなかった、ということがよくある。
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7人を、物語でもう一度
ここに書いた7人の理論家を、1冊の本にまとめている。試験のためというより、自分のキャリアに迷ったときに読む本として書いた。合格したあと、自分のために読み返してもらえたらうれしい。
▼ キャリアに迷ったときに読みたい本|7人の理論家とAIで自分を整理する1冊
あと少し。いままで積み上げてきたものを、取り違えずに出してきてほしい。応援しています。
試験の日程・出題範囲は、必ず試験実施機関の公式サイト(career-shiken.org)で確認してください。

